2016年9月8日木曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 6 フェイスパーツを量産しよう3

このコンテンツは「デスクトップアーミーライセンス」に基づいて創作、提供されています。 

前回までの方法を使ってABS樹脂で作成したフェースは残念ながら製品に付属のジョイントも3DデータからABSで出力したジョイントも使用できない。

硬いABS同士だと窪みにはまってくれないのだ。なので、ジョイント部はABSとは異なるフレキシブルフィラメントと呼ばれるやわらかい樹脂で作ったジョイントを使うことにする。
Amazonで購入できるサインスマートで売っているTPUフィラメントを使用した。

本来純正品以外使えないはずの3Dプリンタで出力したため、糸引きがひどいが、出力したものがこちら。

















やわらかいので、はさみで切れる。糸と言うかバリというか、出っ張った部分を切り落とし、若干小さめに形成したのがこちら

これでジョイント部にはめることができる。
















つなぐとこんな感じ。隙間が開くようだと、すこし切り落としてジョイントが見えないようにするといいだろう。

これで、オリジナルフェースの完成である。

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 5 フェイスパーツを量産しよう2

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前回で顔ができたので、フェイス用デカールを作ってみます。デカールにはA-oneの転写シール白地タイプを使用した。

このシール・タトゥーシールとして売られているが、普通のインクジェットでは出せない白色の下地があるおかげで、白目のあるデカールも作成することができる。


このシール、2枚セットで使用する。まず、両面白の紙の何も印刷されていない面(裏面には裏面であることを示す印刷が施されている)にインクジェットプリントする。反転転写なので注意。
印刷したインクジェットは良く乾かしてから、もう一枚の紙の緑の保護紙と入れ替わるように、印刷したインクジェットを白色シールに押し付ける。透明な保護シートをはがして、貼り付けたい場所に位置あわせしながら仮固定して、水を上からかぶせる。ティッシュで水をふき取り、白い紙をはがすと白い下地の上にインクジェット印刷されたものが転写される。
図解すると下のようになる。


説明書はこんな感じ。


インクジェットと白色のりを張り合わせた状態はこのようになる。

















インクジェットは白色のりの向こう側にあるので、薄く透けて見える状態である。

貼るときは小さく切って使用します。一応周囲は肌色に塗っては居ますが、色の差がみえてしまうのと位置あわせがしにくくなるので、できるだけ小さく切るのがいいでしょう。


切り落としたデカールは保護用の透明シートを取り除きます。透明シートがとりにくいときは、セロハンテープに透明シートを貼り付けるとはがしやすいです。誤って透明シートをはがしたものをセロハンテープに貼り付けると取れなくなるので注意。


位置あわせしながら、貼り付け位置に押し付ける

印刷用紙に吸わせるように水をつける

ティッシュを押し付ける

転写されました。

他のパーツも同様に貼り付ける

眉は髪パーツをつけたときに隠れないように位置に注意すること。押し付けたときに髪パーツで位置を確認するとよい。

髪をつけるとこんな感じ。まゆが左右非対称でしたね。この辺の調整は難しいです。失敗したら水をつけてこすると取れます。

公式サイトで発表のあったアンケートをの顔を作ってみました。

結局発売未定になってしまいましたが、小説版の子の目も作っています。



3Dプリンタ製のフェイスパーツと今回の方法で作ったデカール・デカール印刷用の画像ファイルをセットで販売する計画を立てています。
準備ができたら追っておしらせします。

2016年9月6日火曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 4 フェイスパーツを量産しよう1

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デスクトップアーミーの製品版でちょっと残念なのは、表情が乏しいことと、シルフィーだと標準色と限定版があるものの、標準色を反転させただけのモデルの2種しかないことだと思います。だからこそ改造しがいがあるのですが、せっかくの標準パーツを改造してしまうのはもったいないし、素体の数しかレパートリーが無いのもさみしいので、せっかっくいただいた3Dデータを活用したフェースパーツの作り方を紹介します。

まずは3Dプリンタで顔を印刷します。これはサインスマートのABSフィラメントを使用しています。

3Dプリントしたものにはラフトと呼ばれる台座にプリント物を密着させるための網目とサポートと呼ばれる支えのパーツがついたまま出てきます。
出力したものはラフトとサポートを除去します。
頭の後ろ側のラフトとサポートはニッパーやペンチなどで切り落としていきます。

パーツにくっついてとりにくいラフトは棒やすりやカッターナイフで除去します。
へこんだ部分のサポートはドライバーやキリで除去していきます。
















髪パーツに嵌めてみて入り込めばOKです。
両耳が後ろ髪にくっつけば嵌め合わせられます。
そのままだと、3Dプリンティングのときの層・積層痕がそのまま出るので、顔が縞々です。
削ったり、盛ったりして、層を消すのですが、私はアセトンベイパー法で表面処理していますが、
危険な有機溶剤を使用する作業なので、やすりがけやプラスチック用接着剤で溶かしてならしてもかまいません。
アセトンベイパー処理に興味ある方は非産業化へ寄稿している記事があるので参考にしてみてください。
アセトンベイパー処理をしたABSは磁器のようなつるつるな表面に仕上がります。















あまりにつるつる過ぎて塗料が乗らないので、アセトン処理後にやすりで軽く表面を荒らしておきます。スポンジやすりの粗目があると便利。
















表面の光沢がなくなるくらいがちょうどいいです。















あとはプラモデルのようにサーフェイサー(白)をかけて、乾かしてから、肌色(プラモデル用の水生カラーの肌色・白・ピンクを混ぜて作っています。)で筆塗りします。

つぎはアイデカールの作り方・貼り方を説明します。

2016年9月5日月曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 3 関節可動な3Dモデルを作ってみる

ここからは提供データの改変を含むので、ガイドラインに基づき、ライセンス表示を入れておきます。
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というわけで、すでに製品版が発売されている状況ではありますが、製品版を待ちきれずに作ってしまった関節稼動モデルの作り方について説明します。

公式サイトから提供されている3Dデータ形式はstlファイルとなっていますが、この形式出力ファイルを作るフォーマットとしては広く用いられているのですが、編集可能なデータに戻す作業は非常に困難なものになります。

3Dモデルをヘビに例えると、stlは抜け殻のデータと思ってください。中身の無い表面だけのデータになります。うまいこと中身を詰めることができれば、中身のあるヘビのコピーを作れるのですが、穴が開いていたり、形状が複雑すぎるとうまく中身を入れられず、コピーを作ることができなくなるのです。
最近は123D designでもstlを編集可能に戻す機能はついているのですが、デスクトップアーミーのような複雑すぎる形状はフリーズして変種可能な形式に戻すことはできませんでした。他のフリーツール・体験版をいくつか試したのですが、いづれもだめでした。
なので、盛っていくような元の形状を残したまま追加していくような造型は可能なのですが、そのままでは部分的に削るなどの引き算のモデリングはできません。

仕方ないので、stlデータを”3Dで”トレースしてみました。stlデータに近い3D形状を組み合わせて、stlデータと似た形状の”ソリッドデータ”をつくるわけです。

脚部をトレースした状態です。灰色に見えている部分が提供されているstlファイルが見えている部分、青いグラデーションのみが表示されている部分がトレースした部分がstlデータより外側に飛び出している部分になります。
完璧にはトレースし切れていませんが、3Dプリンタの精度がそこまで無いので、このくらいとれていればそこそこ同じものが出てきます。
腕部と脚部をトレースして、分割・はめあわせの関節を作ったモデルが下になります。

製品が出る前に作ったものなので、関節形状は製品とは異なり、一方向のみに曲がるようになっています。

出力して、頭部パーツは一体型で出力したもの、例によってフレキシブルフィラメントで出力したジョイントでつないでいます。一応軸もモデリングしてましたが、形状がいびつだったり、弱かったりなので、爪楊枝を軸にしてます。

塗装したもの。


最近になって、製品版に近い形状のモデリングもしたのですが、3Dプリンターが故障してまだ出力できていません。直したら試してみたいと思います。

ざっくりとですが、こんな感じでモデリングしています。
stlをアナロジックにスキャンしてくれるソフトがあるといいのですが、意外と無いんですよね。
実際にやったことは無いのですがstlを編集可能な形式にするために出力物を3Dスキャンしたくなってしまうことがあります。

2016年8月29日月曜日

デスクトップアーミー クリエイティブコモンズライセンスフィギアの楽しみ方 2 公式配布されている3Dファイルについて

概要編で公式サイトで3Dプリンタ出力用の3Dデータが配布されていると書きましたが、今回はこの配布ファイルについて説明してみようと思います。

デスクトップアーミー公式サイトhttp://dt-a.jp/から
Database/ダウンロードをクリックします。
ガイドラインとライセンスをよく読んでからダウンロードボタンをクリックするとメールアドレスとライセンスへの同意欄が出ますので、記入してデータをダウンロードする。をクリックします。

これで、DA_B101_dl.zipファイルが手に入ります。
zipファイルの中にDA_B101_dlフォルダに格納された16個のstlファイルと2個のjpegファイルが入っています。

jpegファイルのうちlogo_data.jpgはライセンス表記用のロゴファイル

で、parts_list(B101).jpgは収納されているstlファイルの説明書になります。

stlファイルは3Dプリンタ用ファイルを配布する際の標準的なフォーマットとなっています。3Dプリンタで出力する際は3Dモデリングソフトで調整したり、スライサーソフトで3Dプリンタで出力するためのファイルを生成します。

下は非商用であれば無償で使用できるAutodesk社の123D Designに読み込んでみた状態です。
stlファイルには座標データも入っているため、座標データが反映されるソフトに16個のstlファイル読み込んだ場合はフィギアの完成品の形状で読み込まれるようになっています。


面が多すぎて、輪郭線が全体を覆ってしまっているため、黒っぽくみえています。

このまま出力ファイルを作成すると、すべてくっついた非稼動モデルとして出力されてしまうため、モデリングソフトかスライサーソフトで位置調整を行います。
下は私が使用しているcube 2nd gen専用のスライサーソフトで並べなおした状態です。

3Dプリンタで出力するとこんな感じになりました。家庭用で普及しているFDM方式(俗に言うにゅるにゅる型)だと、ラフトと呼ぶプリント物を定着させるための下地板に形成する網目とサポートと呼ぶ柱状の支えが必要になってきます。下の写真は最初に出力したときの写真です。
サインスマートのABS樹脂を使用しています。

出力後はこれらから取り除く作業が必要になります。が、単色の3Dプリンタではラフト・サポートと出力物が同じものでできているので、見分けが付きにくくなってしまいます。また、ラフトやサポートと接触している部分の造型は出力時に上を向いている面より荒く・低精度に仕上がってしまいますので出力時の向きに注意する必要があります。
実は上の写真の向きと分割は失敗でした。はめあわせ部にサポートが付いたので、はめあわせ部が埋まったり、突起とサポートの見分けがつかなくなってしまいました。FDM式3Dプリンタで一般的に使われるABS,PLA共に硬いプラスチックであるため、間接部のジョイントもまともにはまりませんでした。

間接部のジョイントはフレキシブルフィラメントと呼ばれる弾性のあるフィラメントで作り直すことで組み立てました。
ABSの設定で出力できるフィラメントが市販されており、それを使っていますが、糸引きがあるため、出力後にはさみなどで形を整える必要があります。製品版に合わせるなら本体に軟質素材、ジョイントに硬質素材を使うのがいいのですが、手持ちの環境では逆にならざるを得ない状況となっています。
下がフレキシブルフィラメントで作成したジョイントです。

最初に出力した際に使用したフィラメントはすでに販売していないようなので、最近購入したサインスマートのTPUフィラメントで出力した写真を掲載します。糸引きによるバリがひどいですが、TPUははさみでも切れるので、比較的簡単に形を整えられます。

こちらが2015年12月に作成した記念すべき1体目の3Dプリント出力品。半ば無理やり作ったものになります。


配布データなので当然ながらひじ、ひざは曲がりません。
次はひじ、ひざを曲げるためのデータ作成方法について解説します。